その政策評価とか その調査が先走ったものとなり,本フォーラムの検討を拘束するということにならないよう, 十分な配慮をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

法曹の養成に関するフォーラム 第2回会議議事録

○井上委員
他方で現在,総務省において,法曹人口の拡大や法曹養成制度の改革に関する政策評価というものが行われており,その一環として,全国の半分ぐらいの法科大学院を対象にした実地調査が始まっているというふうに伺っております。さらに,幾つかの法科大学院関係者等から聞いたところによれば,法科大学院の教員や学生とか,その他の人を対象にする意識調査というものも行われる予定だということでして,それらの結果は本フォーラムに提出する,あるいはその調査はフォーラムのために行うものだというふうに説明がなされている,という話も伝わってきています。
しかも,法科大学院に対する調査事項として対象校に示されたところをちょっと拝見したんですけれども,既存のいろいろな調査で既に明らかになっているものとかなり重複している。それらの既存の調査の結果やデータの多くは公表されているのですが,そればかりか,このフォーラムで今後検討していくべき事項とも相当程度重複しているように見えるのですね。また,調査の対象となる関係者からは,実地調査の内容・方法が適切ではないのではないか,特に学問の自由とか,大学の自治との関係でいかがなものかという声も上がっているのです。
そこで,本当は総務副大臣に御質問したかったのですけれども,担当者がおられれば,この政策評価の目的,趣旨,あるいは内容というのは,どういうものであるのかということを簡単に御説明していただきたいのと,本フォーラムが,法曹養成制度の在り方の総合的な検討をするために,幅広い省庁の大臣の申し合わせによって設置され,これから正にそういう観点から検討しようとしているところであるわけですので,総務省として,この政策評価と本フォーラムとの関係をどういうふうにお考えであり,また,その実施される調査の結果をどういうふうに利用されるおつもりなのかについて,お教え願えればと思います。

○井上委員
今伺った限りでも,総務省が行われるのは,あくまで行政機関としての法務省ないし文科省政策評価のための調査であるという位置付けですが,他方,司法制度改革によって生み出された法曹養成制度の改革というのは,ひとり行政府のみに関係するものではなく,法曹界あるいは司法の在り方全体に関わる事柄であり,正にそのために本フォーラムでもいろいろな方々に集まっていただいて議論するということですので,この政策評価のための調査,それはそれとして意義のあることなのかもしれませんけれども,その政策評価とかその調査が先走ったものとなり,本フォーラムの検討を拘束するということにならないよう,十分な配慮をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

○佐々木座長
ありがとうございました。
時間がありませんが,一言。先ほど総務省の調査の件がございましたので,座長としても,誤解ないように確認させていただきますが,少なくとも座長としては御依頼した覚えはございませんで,そちらの政策評価の筋でおやりになっているということを,委員各位は誤解のないように御認識をいただきたいと思いますし,それが,いろいろな結果として,本フォーラムがやっていく意味がないようなことにならんように,ひとつ十分総務省の側には御注意をいただきたいということは,座長の責任において申し上げておきたいと思います。何も我々,無駄な時間を使いたいと思っているわけではございませんので,その点については強く申し入れをしたいと,このように思っております。事務局の方にはよろしく,副大臣,政務三役にお伝えいただくように,お願いしたいと思います。
今日は,なかなか区切ろうといって区切らないような話になってしまって申し訳なかったんですけれども,次回の予定について,事務局からお願いします。

○鎌田委員
先ほどの総務省の調査との関係では,法科大学院の間にもかなりいろいろ波紋が広がって,不安を抱く向きもございますので,法科大学院の側として総務省に申し入れをする予定にいたしておりますので,その点,よろしくお願いいたします。
○佐々木座長
はい,分かりました。
それでは,いろいろ最後,ちょっと5分ぐらいあれしましたけれども,本日はこれにて終了とさせていただきます。御苦労さまでございました。

(コメント)
総務省の検討の影響を最小限におさえたいようだけど。。
さすがに苦しいんじゃないかな。

大学の自治とか、学問と自由とかを、
根拠に持ち出しているけれど、憲法学者の安念先生に解釈論を聞いてみたらどうなんだろう。

※参照
日本国憲法 第二十三条
学問の自由は、これを保障する。
第6回法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会 議事録
【安念教授】
試験対策でもあり、かつ理論的な水準も落とさないという授業をできなければ、そんなものは教師として給料をもらっている資格はありません。首にすべきです。