教師に6年制は必要だろうか? 井上晃宏

http://agora-web.jp/archives/806082.html

 この10年間で、以下のような職業の教育年限が延長された。
・美容師、理容師 専門学校の年限が1年から2年に、入学資格が高卒以上となった
・薬剤師 薬学部の教育年限が4年から6年になった
・看護師 准看学校はまだ廃止されていないが、正看学校は軒並み4年制大学に昇格した
・法曹 法科大学院卒が義務付けられた

 果たして、有資格者の能力は向上したのだろうか。むしろ、資格取得費用が増加した分だけ、資格取得者の資質が低下しただけではないのか。
 また、「入口」を狭くするだけで、すでに資格を取得した人の再評価は一切問題になっていない。
 資格制度の運用にあたっては、養成学校や業界団体の利害が主に考慮され、消費者のニーズは考慮されない。彼らにとっては、資格取得は難しく、ハードルは高い方が望ましい。消費者の利益代表を、何らかの形で制度改革論議に参加させる必要があると思われる。

(コメント)
教育機関による収益源獲得の取り組みが、
格差社会化を加速させる。