司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則

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司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則
平成二十一年十月三十日最高裁判所規則第十号

 司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則を次のように定める。


司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則

(貸与申請の方式等)
第一条 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号。次条第一項及び第六条第二号において「法」という。)第六十七条の二第一項に規定する申請(以下「貸与申請」という。)は、最高裁判所の定める事項を記載した申請書(以下この条及び次条第一項において「貸与申請書」という。)を最高裁判所に提出してしなければならない。
2 貸与申請書には、第四条第一項第一号に掲げる者を保証人に立てる場合にはその者の保証書を、同項第二号に掲げる金融機関を保証人に立てる場合には当該金融機関に保証を委託する旨を記載した書面を添付するほか、最高裁判所の定める書面を添付しなければならない。
3 貸与申請書の提出は、司法修習生の採用の申込みをした者もすることができる。

(修習資金の貸与の方法)
第二条 修習資金(法第六十七条の二第一項に規定する修習資金をいう。以下同じ。)は、貸与申請がされた日(貸与申請書を提出した日が同項に規定する修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間(以下この項及び第七条において「修習期間」という。)の開始の日前であるときは、当該開始の日に貸与申請がされたものとみなす。)の属する貸与単位期間(修習期間をその開始の日又は各月においてその日に応当する修習期間内の日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日)から各翌月の修習期間の開始の日に応当する日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日)の前日(当該前日が修習期間内にないときは、修習期間の末日)までの各期間に区分した場合における当該区分による一の期間をいう。以下同じ。)の次の貸与単位期間(貸与申請がされた日が貸与単位期間の初日であるときは、当該貸与単位期間)に係る分からこれを貸与する。
2 修習資金は、次条の規定により各貸与単位期間ごとに定められる額の修習資金を、最高裁判所の定める日までに、最高裁判所の定める方法により交付して貸与するものとする。ただし、貸与申請に係る事実を確認することができない等の事情があるため、修習資金をその日までに交付することができないときは、その日後に交付することができる。

(修習資金の額)
第三条 修習資金の額は、一貸与単位期間につき二十三万円(以下この条において「基本額」という。)とする。
2 修習資金の貸与を受けようとする者又は修習資金の貸与を受けている司法修習生が、次の各号に掲げる場合において、修習資金の額の変更を申請したときは、修習資金の額を一貸与単位期間につき当該各号に定める額に変更する。
一 基本額未満の額の修習資金の貸与を希望する場合 十八万円
二 配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、満二十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子又は一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第十一条第二項に規定する扶養親族(同項第一号に掲げる配偶者及び同項第二号に掲げる子を除く。)がある場合 二十五万五千円
三 自ら居住するため住宅(貸間を含む。)を借り受け、家賃(使用料を含む。)を支払っている場合 二十五万五千円
四 前二号に掲げる場合のいずれにも該当する場合 二十八万円
3 前項の規定による修習資金の額の変更を受けた者が、更に同項各号に掲げる場合に該当するものとして修習資金の額の変更を申請したときは、修習資金の額を一貸与単位期間につき当該各号に定める額に変更する。
4 前二項の規定による修習資金の額の変更を受けた者が、修習資金の額の基本額への変更を申請したときは、修習資金の額を基本額に変更する。
5 前三項の規定による申請は、最高裁判所の定める事項を記載した申請書を最高裁判所に提出してしなければならない。
6 前条第一項の規定は、第二項から第四項までの規定による修習資金の額の変更の申請があった場合について準用する。
7 第二項各号(第一号を除く。)に定める額の修習資金の貸与を受けている司法修習生が、当該各号に掲げる場合に該当しないこととなったときは、当該該当しないこととなった日の属する貸与単位期間の次の貸与単位期間(その日が貸与単位期間の初日であるときは、当該貸与単位期間)以降に係る修習資金の額を基本額に変更する。ただし、同項第四号に掲げる場合に該当しないこととなった者が同項第二号又は第三号に掲げる場合になお該当するときは、当該各号に定める額に変更する。

(保証人)
第四条 修習資金の貸与を受けようとする者は、次に掲げるいずれかの者を保証人に立てなければならない。
一 自然人二人
二 一の金融機関(最高裁判所の指定するものに限る。)
2 前項に規定する保証人は、修習資金の貸与を受けた者と連帯して債務を負担するものとする。
3 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百五十一条の規定は、修習資金の貸与については適用しない。

(貸与申請の撤回)
第五条 貸与申請をした者は、最高裁判所の定める撤回書を提出することにより、いつでも将来に向かって貸与申請の撤回をすることができる。

(修習資金の貸与の終了)
第六条 修習資金の貸与を受けている司法修習生について次に掲げる事由のいずれかが生じたときは、当該事由が生じた日の属する貸与単位期間の次の貸与単位期間(その日が貸与単位期間の初日であるときは、当該貸与単位期間)以降に係る修習資金を貸与しないものとする。
一 前条の規定による撤回をしたとき。
二 法第六十八条の規定により罷免されたとき。
三 死亡したとき。
四 第四条第一項に規定する保証人を欠くに至った後相当の期間内に同項に規定する保証人を新たに立てなかったとき。
五 その他最高裁判所の定める事由が生じたとき。

(修習資金の返還の期限等)
第七条 修習資金の返還の期限は、修習期間の終了した月の翌月から起算して五年を経過した後十年以内で最高裁判所の定める日とし、その返還は、年賦の均等返還の方法によるものとする。ただし、最高裁判所の定めるところにより繰上返還をすることを妨げない。

(期限の利益の喪失)
第八条 修習資金の貸与を受けた者は、その者について次に掲げる事由のいずれかが生じたときは、前条の規定にかかわらず、最高裁判所の請求に基づき、その指定する日までに、返還未済額の全部を返還しなければならない。
一 正当な理由がなくて修習資金を返還すべき日までにこれを返還しなかったとき。
二 第六条第四号に掲げる事由が生じたとき。
三 次条に規定する返還明細書を提出すべき日までにこれを提出しなかったとき。
四 その他最高裁判所の定める事由が生じたとき。
2 修習資金の貸与を受けた者は、その者について次に掲げる事由のいずれかが生じたときは、前条の規定にかかわらず、直ちに返還未済額の全部を返還しなければならない。
一 第六条第二号に掲げる事由が生じたとき(最高裁判所の定める場合を除く。)。
二 強制執行を受けたとき。
三 租税その他の公課について滞納処分を受けたとき。
四 財産について競売の開始があったとき。
五 破産手続開始の決定又は再生手続開始の決定を受けたとき。
六 その他最高裁判所の定める事由が生じたとき。

(返還明細書の提出)
第九条 修習資金の貸与を受けた者は、その貸与申請に係る修習資金の最後の貸与単位期間の末日までに、最高裁判所の定める事項を記載した返還明細書を最高裁判所に提出しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、第六条の規定により修習資金を貸与しないものとされた場合には、最高裁判所の指定する日までに、前項に規定する返還明細書を最高裁判所に提出しなければならない。

(延滞利息)
第十条 修習資金の貸与を受けた者は、正当な理由がなくて修習資金を返還すべき日までにこれを返還しなかったときは、当該返還すべき日の翌日から返還の日までの期間の日数に応じ、返還すべき額につき年十四・五パーセントの割合で計算した延滞利息を支払わなければならない。

(修習資金の貸与及び返還に関する書面の提出)
第十一条 最高裁判所は、修習資金の貸与を受け、又は受けようとする者及びその保証人又は保証人となるべき者に対し、この規則に定めるもののほか、最高裁判所の定めるところにより、修習資金の貸与及び返還に関し必要と認める書面の提出を求めることができる。

補則
第十二条 この規則に定めるもののほか、修習資金の貸与及び返還に関し必要な事項は、最高裁判所が定める。

附則
(施行期日)
第一条 この規則は、裁判所法の一部を改正する法律(平成十六年法律第百六十三号)の施行の日(平成二十二年十一月一日)から施行する。

司法修習生の給与に関する規則の廃止)
第二条 司法修習生の給与に関する規則(昭和五十五年最高裁判所規則第二号)は、廃止する。

司法修習生の給与に関する規則の廃止に伴う経過措置)
第三条 この規則の施行前に採用され、この規則の施行後も引き続き修習をする司法修習生の給与については、前条の規定による廃止前の司法修習生の給与に関する規則の規定は、この規則の施行後も、なおその効力を有する。

(裁判官等の寒冷地手当に関する規則の一部改正)
第四条 裁判官等の寒冷地手当に関する規則(昭和二十四年最高裁判所規則第二十九号)の一部を次のように改正する。
題名中「裁判官等」を「裁判官」に改める。
本則中「及び司法修習生」を削る。

(裁判官の報酬等の支給定日に関する規則の一部改正)
第五条 裁判官の報酬等の支給定日に関する規則(昭和三十六年最高裁判所規則第二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「、裁判官」を「及び裁判官」に改め、「及び司法修習生の給与」を削る。
第二条第一項中「、裁判官以外」を「若しくは裁判官以外」に改め、「若しくは司法修習生」を削る。

(裁判官等の寒冷地手当に関する規則及び裁判官の報酬等の支給定日に関する規則の一部改正に伴う経過措置)
第六条 この規則の施行前に採用され、この規則の施行後も引き続き修習をする司法修習生の給与については、附則第四条の規定による改正後の裁判官の寒冷地手当に関する規則及び前条の規定による改正後の裁判官の報酬等の支給定日に関する規則の規定にかかわらず、なお従前の例による。