勉強は100パーセント予備校で進め、授業は寝に来ている者も少なくありません。

法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書」
に対してお寄せいただいたご意見
平成23年1月25日〜平成23年1月30日まで受付の28件。受付順)

http://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/38572_1.html
http://www.soumu.go.jp/main_content/000100652.pdf

地方の国立法科大学院1年生の、41歳の者です。
法科大学院(以下、ロー)に入学してから、ずっともやもやとした気持ちを抱えていたのですが、総務省がこのような取り組みをしていることを知り、「なんだ、世の中にはまともな人もいるんじゃないか!」と久々にすっきりした気持ちになりました。
民主主義ってすばらしい!
私は、20代の頃は東京で就職をしておりましたが、諸事情から実家に戻り、いわゆるワーキングプア生活を送っておりました。
社会の底辺に落ちたといっても過言ではなく、この理不尽な社会を変えたいという気持ちから、ローに進学しました。
ところが、多くの方がおっしゃっているように、掲げられた理念とはかけ離れた実態に、唖然とするばかりの毎日です。
未修者コースとは名ばかり、クラスの半分以上は新卒の法学部出身者。
ローによっては、未修者コースなのに法学部出身者「しか」合格させないところがあると噂に聞いているので(真偽のほどは確かめようがありません)まだましな方かもしれませんが。
先生方は、法学部出身者を念頭に置いた授業を行い、いわゆる「純粋未修者」はついていくので精いっぱいで、とてもいい成績は取れず、必然的に、留年候補となってしまいます。
私は、この9か月、高度な知識を詰め込まれただけで、消化不良をおこしており、このまま2年生に進級するよりも、留年してじっくり学んだ方が、長い目で見たらいいのかもしれない、と開き直っています。
でも、ここでいう「じっくり」とは、あくまでも自習のことであって、同じ先生の同じ授業を再度受けたからといって、自分のためになるとは思えず、ただ、在籍資格のために高い学費を払わなければいけないのかと思うと腹立たしい気持ちでいっぱいです。
ワーキングプア生活で貯めた貯金は、今年度の入学金・学費で消えました。
来年度からは、親の年金頼りです。
教え方の下手くそな先生でも年収1000万円以上もらっているのだと思うと、目の前で「私の血と汗と涙の結晶の金を返せ!」と言いたくなります。
クラスメイトのほとんどは、新司法試験の受験資格のため、仕方なくローに通っていると言っています。
勉強は100パーセント予備校で進め、授業は寝に来ている者も少なくありません。
しかし、私は、そのような者を責める気はありません。
結局、どんな手段を使っても、司法試験に受かった者勝ちなのであり、受からなければ何の意味もないからです。
私自身は、年齢的なものもあり、もし最終的に受からなくても、またワーキングプアに戻って、身近な人の法律相談に乗ってあげられればいいや、と思っていますが(勿論、合格するのがベストですし、三回落ちたら、国賠訴訟を起こすつもりです)高い学費を払って、いろんなものを犠牲にして一生懸命勉強している若い人たちが、三回制限に引っかかって路頭に迷うとしたらかわいそうで仕方ありません。
間違った「自己責任」論を持ち込むのは、もうおしまいにしましょう。
私は、ロー廃止論者ではありませんし、今更廃止しろというのは、現実的ではないと思います。
折角できた制度なのですから、抜本的改革を行って、よりよい法曹養成制度を作り上げていきましょう。

(コメント)
国立でこうなのか。
もう、意味ないんじゃない?