結論として、私は、この4月までにローを退学し、仕事をしながら予備試験を目指すことに決めた。

法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書」
に対してお寄せいただいたご意見
平成23年1月18日〜平成23年1月24日まで受付の17件。受付順)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000099133.pdf

私は、現役ロースクール生です(既修2年生)。社会人で旧司法試験を受験していましたが、去年の春、関西中堅ロースクールに入学しました。
去年の4月から約一年在籍していますが、結論から申しますと、ロースクール制度は即刻見直すべきだと考えます。(本音は、廃止です)
以下、理由を述べます。
1、入学前に新司法試験の問題を少し見ていたのですが、ローでの授業は全く役に立ちません。判例よりも学説偏重です。あのような教え方では、法律の素人を3年間で合格レベルまで上げるのは不可能です。
2、間に合わせで教授を置いたため、力量の無い者までが教育に携わっている。
3、旧司の弊害を教授達が聞きかじっているのか、予備校の悪口を言う教授が多い。一方で、自分達で未修者を合格させる力量がないのは、数字が物語っている(年々、未修者の合格率が下がっており、旧司並みの合格率になりつつあるし、改善策も無い)
4、既修で去年の春に入学した友人は、ここのローに愛想をつかせて東京の上位校を再受験して合格した。しかし、彼の学内での成績は、留年ギリギリの成績だった。彼のような、ローでの落第生が、なぜ上位校の入試に合格できるのか、不思議だ。考えられるのは、うちのローの採点基準が明らかにおかしいからだと思われる。
つまり、新司法試験の採点基準と明らかに異なり、非常に的外れな採点方法を採用しているからだ(新司問題のように事実の評価よりも学説の展開を重視している)。
5、うちのローの去年の新司法試験の結果は、『現役生』の合格率が10%、受け控えは70人、これは、明らかに失敗だったことの証明だと思う(年々、合格者数が減少している)。
6、社会人は、仕事を捨ててまでローに行く価値はないと思う。なぜなら、卒業後の就職難、法外な授業料、卒業後の身分等、不安定だからだ(結果、視野の狭いお金持ち学生だけが法曹になるのかと思うと質の低下が心配だ)
7、予備校の講師と話す機会があったが、彼によると、ロー生は、入学当時の法律の実力よりも卒業のときの実力が下がっていると言っていた。私もそれは実感した。明らかに予習と言う名の作業だけの毎日。復習が大事だと旧司合格者の先輩から言われてきたが、そんな時間は全く取れなかった。実力が伸びている実感は、全くなかった。社会人経験者としては、無意味なことに時間と労力とお金をかけ続けることへのストレスが大きかった。
結論として、私は、この4月までにローを退学し、仕事をしながら予備試験を目指すことに決めた。
約1年間、ロースクールの内部から見えたもの・・・それは、無批判、従順、幼稚な学生と、定年までの消化試合をしている老教授達との奇妙な風景でした。まるでどこかの宗教団体の教祖と信者のような感じでした。しかし、このような無批判な者たちが将来、正義を貫く法曹となれるのか疑問です。もっと多様な人材を求めるべきだと考えます。このままでは、お金持ちのお坊ちゃま、お嬢様しか法曹になれません。弱者の立場に立てるのでしょうか?疑問です。
全部、廃止とまでは言いません。現状の上位校だけで十分だと思います。後は、統廃合すべきです。
ちなみに、他のローから転入してきた元社会人の友人は、現在、1000万円の借金を抱えています。これでいいのでしょうか?
私は、この約一年間、お金と時間とをどぶに捨てたことを後悔しています。
最後に、予備試験合格者がどれだけ新司法試験合格を占めるのかが楽しみです。おそらく上位を占めるでしょう。つまりロースクール制度の失敗が客観的に証明される日は近いと思います。

(コメント)
中堅ロースクールでこの調子なのか・・・
いわゆる「下位」はどんな有様なのだろうか・・・